« 2011年1月 | トップページ | 2011年3月 »

2011年2月

Reminiscence for my youth

Photo

僕の若かりし頃の想い出の場所が、また一つ無くなってしまいました。weep
原宿・ボロンテールは明治通り沿いにあったのですが、なんと明治通りの拡張工事の為、立ち退きを余儀なくされるんだそうです。

このお店は僕がジャズを聴き始めたばかりの10代後半の頃から20代前半・中盤の頃、ずっと通い詰めていたお店です。お店は姉妹で経営されていて、妹さんが昼間のコーヒータイム、お姉さんが夜のバータイムをやっておりました。夜のバ-タイムは背伸びして、たまに通っておりましたが、僕は専ら昼間のコーヒータイムに行っておりました。cafe

お店は写真にある螺旋階段か、もう一つの入り口(急な階段)を登り、2階に上がっていきます。当時、明治通りを歩いていた時、偶然見つけた「Jazz」という看板と小さい入口。その怪しげな入口を入り、薄暗い階段を冒険心に任せて登って行った事を今でも覚えています。

原宿は今も昔も若者の街であり、良い意味でも悪い意味でも若い活気が溢れかえっている場所ですが、一たび階段を上がると、そんな喧騒を忘れさせるような、静寂な(当然店内はジャズがかかっておりますが)空間があり、毎回何とも贅沢な気分にさせてくれたのでした。confident

ジャズ喫茶やバーというのは、お店に寄って店主の趣味やカラーが自然と出てきます。ここのお店は女性が店主だけあり、男性らしい趣向(Wayne ShorterやHerbie HancockがいたMilesバンド以降の音楽やフリージャズ、フュージョン等)をあまり店内でかけず、女性ヴォーカル物やWest Coast寄りのジャズ、30、40年代のジャズを比較的よくかけてくれるのが、特徴的でした。

そういえば、若輩者の僕がRollinsやColtraneばっかりリクエストする中、『Lester Young+Teddy Wilson』やStan Getzのアルバムをよく聴かせてくれました。今でも、Lesterが参加しているアルバムは聴き続けておりますが、それはここのお店の影響が強く残っているからだと思います。

このお店で出会った人達も何人もいました。原宿という土地柄、デザイナーや広告関係の人など、所謂業界人が数多く来るお店なのですが、まだまだ社会にも出ていない学生身分の僕にお酒を奢ってもらったり、人生相談をしてもらったりと、人間的な付き合いとしても贅沢な時間を過ごす事ができました。(お目にかかった事は無かったですが、昔はイラストレーターの和田誠さんが常連だったようで、このお店のコースターのデザインは和田誠さんデザインのLester Young、Count Basie、Billie Holidayでした。)

そんな、若い頃の思い出がたくさん詰まったお店だったのですが、お店の人が代わったり、自分が結婚したり何だと、周囲の環境が変わるに連れ、最近はすっかり足が遠退いてしまいました。

そんな中、年賀状のやりとりをしている人から今回の立ち退き聞いたのが、今年の1月。
先々週の土曜日その人と再会を果たし、先週土曜日に最後に一人でお店の空気を楽しみました。

512gmp3hpal__sl500_aa300_

最後の来店の日に、店内でかけてくれたアルバムがShelly Manneの『Live at the Black Hawk』。

ここ最近、どっぷりハマっているイタリアのテナー奏者Max Ionata(ts)が参加しているカバーアルバムRoberto Gatto(ds)『Remembering Shelly』の基ネタになったアルバムです。
オリジナルの方はRichie Kamuca(ts)が参加してます。Richie Kamucaは評論家の世界ではWest Coast系に位置されているテナー奏者ですが、音を聴くと、Hank MobleyやJunior Cook等に似た、柔らかい音色を持った、僕好みなバップテナー奏者です。

このお店の空気を若い頃に存分に吸い込んだ自分がこの店に還ってくるのを、僕好みのアルバムをかけながら待っていてくれたような気分にさせてくれるようでした。note

お店は近くに移転するようですが、この地から無くなってしまうというのは何とも言えない寂しさがあります。down

| | コメント (2)

« 2011年1月 | トップページ | 2011年3月 »