« 2011年2月 | トップページ | 2011年8月 »

2011年3月

ザ・求道者

正にタイトルのような人でしょう、この方は。coldsweats01

日曜日、石森管楽器で川嶋哲郎さんのクリニックに行って参りました。up
今回のお題は「アドリブ」。Jazz Life誌に昨年まで連載されていた『わがままサックス哲学』の内容からして、「これを練習したら、すぐに上手くなれる」式のクリニックではないのだろうなと想像しつつ受講しましたが、全く予想通りの内容…!でも、音楽を演る上でとても重要で、根源的な内容でございました。gawk

最初の20分位受講生の質問タイムになり、質問事項を列挙。その質問に対し、答えていくという形式。

まず、川嶋さんが“There will never be another you"を使って演奏。①スケールの上行・下行を適当に演奏 ②ファ・ソ・ラ(テナーでF Major故)の音だけでリズミックに演奏 ③ ①と②を融合させた演奏で比較をしてくれました。番号が上がっていくに連れて、音楽らしいアドリブになります。

ここから、彼は「そもそも曲のメロディーというのは、スケール(=[ドミソ]、[ファラド]、[ソシレ]の3つの機能コードから出来ている)から出来ている。」と説明します。所謂、トニック・サブドミナント・ドミナントという機能ですね。

故に、アドリブをする時にはそれぞれの箇所[コード]で、そのスケールの中の機能を生かしたソロをするというのが基本となると説明されました。

次に曲の例として、“My one and only love”のテーマの前半部分をホワイトボードに書き、小節毎に「C・F・G」とコードを振っていき、この曲の「トニック・サブドミナント・ドミナント」の機能を仕分けしていきます。

基本の機能コードを振っていった後、その機能コードの下に本来青本等に記載しているコードを振っていくと「例) C(上段)にAm(下段)とか」、共通した音がたくさん…
 
この箇所はトニック(C)だけではこの曲の雰囲気を伝える事ができないので、装飾的に振られているコードという事だそうです。(そういえば、AmはCの平行調の関係でもありますしね)

すると、あえてそこに「Am」と振られている箇所でどんな音を吹かないといけないのかというのは自ずから分かってくる… というご説明でした。

そもそも、音楽を作る上で、メロディはコードから生まれたのではなく、メロディからコードが生まれたのだと説明されてました。このコードをリハモする練習が重要だと言っておられました。これには納得。自分の師匠もこの話は説明されてたなと、話がリンクしていきました。

他にも色々フリートークみたいな感じで話をしてくれたのですが、ザックリ纏めると、アドリブに必要な練習は以下の通りなんだそうです。note

①スケールを練習 → トニック・サブドミナント・ドミナントの機能を理解する為に重要。
但し、漫然と練習せず、どのように練習したら音楽的に聴こえるかを常に考える事。
              
②コードを深く理解する → アマチュアはおざなりにしがちだが、過去の偉大なミュージシャ ンのソロはどれをとっても、
アドリブにコードが聴こえる。

③メロディを聴いてコードを想像できる能力とリハモの能力を身につける → コードを自分の中で鳴らし、そこから自分のメロディを創造していく。

④コピーなどをする時、そのソロがなぜそこでそのような音遣いでソロをしているのかを徹底的に考える。

⑤心に浮かんできた音を表現する。→ 浮かばない時は練習しても無駄なので、練習をしない!(→ これはキツいー!) 自分の中の音楽力を鍛える。


これは結構極論だと思うんですけど、態々「~スケール」だとかを練習する必要は無いと仰ってました。川嶋さんはプロになるまで、トニック等の言葉すら知らなかったんだそうです。ただ、④についてはかなり徹底的にやられたようです。

そういえば、今まで色々な人の話を聞いてきましたが、プロになるまで理論について知らなかったって人は結構いるんですよね…coldsweats02

自分がカッコいいと思ったフレーズを追いかけてたら、実はそれは「オルタード」だった、とか「ディミニッシュ」だったとかはあるみたいですけど。(Barry Harris氏の最近の『Jazz Life』誌のインタビューでも、「~スケールみたいな言葉が出てきてから、おかしくなった」
なんて事も言ってたりしてましたしね。)

川嶋さんは本当に音楽を素直に捉えているのに加え、「必要だからこの音を出す」等、徹底的に考え抜かれてて、理路整然としているなと実感しました。

…と最後に、クリニックの後、無伴奏ソロで“Body & Soul”、“Moritat”、“All the things you are”を吹き倒されて終了と相成りました。up

| | コメント (4)

« 2011年2月 | トップページ | 2011年8月 »