書籍・雑誌

先日読み終えた本(2009/3/9)

世界金融崩壊 七つの罪 (PHP新書 582) (PHP新書) 世界金融崩壊 七つの罪 (PHP新書 582) (PHP新書)

著者:東谷 暁
販売元:PHP研究所
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先日読み終えた本です。先日出張時に読んだ関岡英之氏同様、この人も新刊が出るとすぐに購入してしまいます。タイトル通り、世界金融崩壊に関してテーマ別に7つに分けて論じた内容です。この本の中での一番の要点は、1980年代末期から2006年までFRB(連邦準備制度理事会)の議長を勤めた、アラン・グリーンスパン氏を徹底的に非難している所にあります。皆さんご存知の通り、彼の巧みな金融政策ぶりを称し、彼を「マエストロ」と呼んでおりますが(彼はクラリネットを専攻してジュリアード音楽院を出ていたんですよね)、在任期間中の彼の行動と発言は、アメリカ経済に過剰流動性をもたらし、ITバブル、そして今の世界金融危機に繋がる住宅バブルを誘引させたと批判しております。fuji

他では、「リスク」の概念についての考え方の差の部分は興味深い指摘でしたね。市場原理主義の起源とも言われる、フリードリヒ・ハイエクとミルトン・フリードマンの両氏ですが、思想的に似通っているようで、「リスク」の定義について決定的に違う箇所があると本著では指摘しています。sign03

要約すると、ハイエクは、リスクとは人間の合理的な思考の外からやってくる、予測不能な不確定な物と定義しているのに対し(もっと具体的に言うと、リスクには計算をしてはじき出す事が出来るリスクと、はじき出す事が出来ないリスクがあると言っております)、フリードマンは全ての不確定性は計算ではじき出す事が出来ると言っているそうです。どの学者もこの辺の決定的な違いを認識していないと喝破しております。angry

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出張はいいものだ。(2009/2/24)

一昨日は少し遠い所(片道3時間弱)に日帰り出張だったので、行き帰りの道中は読書に集中する事が出来ました。朝は超早かったけど…crying

目覚める日本 (Voice select) 目覚める日本 (Voice select)

著者:関岡 英之
販売元:PHP研究所
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まず一冊目。この人の本は今まで出ている物は全て読んでいますが、暫く新刊が出ていなかったようなので、僕にとっては待望の新刊でした。happy01

この著者は『拒否できない日本』(文春新書)で世間の注目を浴び始めた人です。アメリカ政府が毎年日本政府に要求(脅し?)を突きつけている「年次改革要望書」にスポットをずっと当てています。

アメリカ大使館のホームページにも堂々と掲載されているこの要望書を見ると、小泉元首相や竹中元大臣や、現在の自民党の上げ潮派や改革派と呼ばれている連中が日本国民にとっての「改革」でなく、アメリカの要求に実に忠実な「改革」をしているのかがよく分かります。angry

麻生政権に愛想を尽かし最近自民党を離党したものの、気がついたらほとんど誰もついてこなくなっていた、渡辺喜美議員にも批判の矢を射ています。sagittariusこの本にも書いてありますが、彼は日本のエネルギー政策の要でもある国策企業「国際石油開発帝石」の株式を、中国の政府系ファンド「中国投資公司」が大量取得しようとしている事実について「大歓迎だ」と発言し、物議を醸していたそうです。自国の国家の生命線を外国の資本に握られる事に何の躊躇も感じない、彼のセンスを疑います。pout

DAIRO’S JAZZ WORKSHOP インプロヴィゼイションの理論と実践 DAIRO’S JAZZ WORKSHOP インプロヴィゼイションの理論と実践

著者:宮本 大路
販売元:サーベル社
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二冊目は一転して、音楽理論物。note先日手に入れて以来未だ読んでいなかった、宮本大路氏のこの本でございます。アドリブ演奏に必要な知識・理論を割とコンパクトに纏めてありました。何度も読んで、自分のモノにしたいと思います。但し、一部説明が不足かな?という箇所があり、その部分は何度読み直しても、頭に入って来ませんでした。誰かに聞こうかなぁ!?sign02

この本の続編として『インプロビゼーションのためのトレーニング』という大著があります。こちらはメジャー、マイナー、ディミニッシュ、ホールトーン等のスケールから、各100種類のパターンが掲載されていて、これを練習しなさい!という本なのですが、この分量と気合の入り方は凄いですね。sweat01他のフレーズ集とは一線を画したものがあります。wobbly

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やっと読み終わった~!

市場検察 市場検察

著者:村山 治
販売元:文藝春秋
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やっと読み終わりました、この本。coldsweats01400P強による大著である上に、法務省・検察
庁・大蔵省(財務省)の幹部の名前と役職の数の多さと、取り扱う経済事件の複
雑さ等が相俟って、読破するのに時間がかかり、骨折れました。sweat02でも、読み終え
てみて、今後何度も読んで研究・吟味する必要がありと判断させられる本でござ
いました。

日本の高度成長期から現在に至るまでの経済事件を背景に、当時の実在する法務
省の官僚や検察官が何を考えてきたのかを追い、整理した好著です。fuji

この本でのキーポイントは、特に日本がバブル経済にどっぷり浸かっていた時期
、日本あらゆる業界に蔓延る「談合」を摘発するうちに、アメリカの市場主義経
済に対応する、アメリカの法曹界魅せられ、旧態依然とした日本の司法システム
を改革しなければと、当時の中堅官僚が決心し、その後の日本の法曹界の大手術
を行った事にあります。gawk(近年の司法改革制度や、裁判員制度もこれに含まれま
す)

大型談合摘発の為に、課徴金制度を導入したり、リーニエンシー制度も取り入れ
たり、最後には、今までの日本の法曹界ではタブーとされた「司法取引」の導入
を検討するのですが、はたしてアメリカで通用する制度が日本でも通用するのか
!?という問題を提起しています。gawk

著者はこれからの日本は、この手のアメリカ式な司法制度を受け入れる事はやむ
無しと言っている感がありましたが、果たして易々と受け入れていいものか?た
だ、日本の市場にどうしても食い込みたい、欧米系の企業や弁護士事務所などの
都合のいいようにされてしまうのか?等と個人的には疑念を抱いたりもします。gawk

あと、国民の投票による選挙によって選ばれていない官僚が独自の判断で、その国の制度の根幹に関わる事を改革しようとする姿は、なにやら恐怖感すら感じます。shock

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書評(『オバマ 危険な正体』 ウェブスター・G・タープレイ)

オバマ 危険な正体 オバマ 危険な正体

著者:ウェブスター・G・タープレイ
販売元:成甲書房
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先日アメリカの第44代大統領に就任した、バラック・オバマ氏。アメリカ中が熱狂した様子は僕もテレビで観ました。凄い熱狂ぶりでしたね。大統領就任の祝賀パーティには、スティービー・ワンダーとか、アリシア・キーズ等の有名シンガー、レオナルド・ディカプリオなどのCelebrityとかも集まったりして豪華でした。僕はひいてしまいましたが。(政治と音楽や芸術が融合するのは、基本的にはとても恐ろしい状況だと思うのですが。coldsweats02) 日本で言うと、小泉首相のパーティに、エルビス・プレスリーのモノマネをやったり、X Japanのライブをやってたりしていて、観客は皆「純ちゃんTシャツ」を着ているというシチュエーションでしょうか…!?sweat02

本著では、オバマ氏とその取り巻きに批判の焦点を当ててます。まず、彼の選挙戦の時に最高顧問に就任していた、ズビグニュー・ブレジンスキー氏。御年80歳になる人物です。かつてジミー・カーター政権の時に国家安全保障担当大統領補佐官だったそうです。

彼は基本的に大のロシア嫌いとの事で、今後ロシアを敵視した政策が展開されるのでは?と本著では書いております。最近のグルジアでの戦争やウクライナのゴタゴタなどは、彼が反ロシア勢力とCIAとで画策した結果と言っています。

彼は自分の息子・娘や親戚を、政府やメディア関係にしっかりと配置しているらしく、その影響力をしっかりと保っているようです。

オバマ氏のコロンビア大学の在学期間とブレジンスキー氏が同大に勤務していた時期が重なるそうで、しかもオバマ氏の当時の論文が旧ソ連関係だったそうなので、その頃から師事をされていて、その影響力が伺えるのでは?と指摘しています。

オバマ氏については、事実上ブレジンスキー氏の操り人形と批判しています。「ブッシュ氏+共和党=タカ派」&「オバマ氏=平和の使者、民主党=ハト派」というイメージの報道が多いように感じますが。決してそうでもなく。最近は早速イスラエルや最近の武力行使に関して、全面的に支持をしていたり、アフガニスタンには増派をしようとしていたり、好戦的な一面も見られますね。bomb

日本にも相当な影響力(恐らく悪影響)が行使されるんでしょうね… ちなみに上述のブレジンスキー氏は日本の事について、「日本はアメリカと同等にはなれない。ずっと仕事をしてお金を稼いで、世界に貢献(貢ぐ?)するだけでいい」と発言されているようです。日本の政治家にもっと強くなってもらいたいです。sweat02

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書評(『25人の偉大なジャズメンが語る名盤・名言・名演奏』 神舘和典)

25人の偉大なジャズメンが語る名盤・名言・名演奏 (幻冬舎新書) 25人の偉大なジャズメンが語る名盤・名言・名演奏 (幻冬舎新書)

著者:神舘 和典
販売元:幻冬舎
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ジャズは聴く物だと。長年ずっと思ってきてて、滅多にミュージシャンのインタビューとか読み物を読まない人だったのですが、読み出すと止まらなくなってしまいました。happy01

で、この本では音楽ライターである作者がジャズの大物ミュージシャンを相手に、そのミュージシャンの人間味を引き出すような見事なインタビューをしています。彼らの意外な側面が随所に見られて興味深いです。

例えば、カリプソをベースにした『St.Thomas』など、数々の名曲を演奏したSonny Rollins
。演奏している曲や彼の力強くかつ、軽やかなフレーズからは想像もつかない程の繊細さを持っています。「ジャズは二流の音楽だ」など、少しビックリするような発言なども飛び出します。「飛行機の国際線ビジネスクラスに搭乗する客室乗務員の中ではほとんど私の事を知らない。同じ席に座るアフリカン・アメリカンの間では有名だけどね」など、意外にニヒルな一面も。

驚きなのは 年に白血病でこの世を去りつつも、今尚多くのサックスプレーヤーに絶大な人気を誇るテナーサックスの巨人、Michael Breckerの発言。「僕はね、いろいろなことがゆっくりなんだ。先を急がず確実に進んでいく。サックスだって、子どもの頃、すごく時間をかけて演奏を身につけていった。まず、レコードを聴く。そして、気に入ったフレーズに出会ったら、サックスではなく、まず声に出して歌う。それから実際にサックスでなぞってみる。いつもそういうやり方をしたよ」。超高速フレーズを吹き倒す彼から出てくる意外な発言。coldsweats02

どの人も超がつく程の世界的なミュージシャンなのですが、意外にごく普通の生活をしている事に驚きます。…というより、普通の生活をアーティスティックに創造的に生活しているという印象を受けました。この辺が我々凡人と違う所ですね。とても刺激になる一冊です。sun

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書評(『サックス上達100の裏ワザ』藤田絢三)

サックス上達100の裏ワザ 知ってトクする効果的な練習法&ヒント集 サックス上達100の裏ワザ 知ってトクする効果的な練習法&ヒント集

著者:藤田 絢三
販売元:リットーミュージック
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教則本の類というのは、ついつい買っては積読になりがちなモノです。coldsweats01 我が家にも、制覇していない教則本が山ほどあります。crying

この本を最初に見た時、「ベタだなー」とは思いましたが、書店で立ち読みしていると…                    

少しぐらいしか楽譜が書いてません。このテの本は、やれスケールが…とか、やれフレーズが多く書いてありますが、ちょっと意外です。sign02             

この本は練習がマンネリになってしまっていたり、スランプに陥っている僕のようなプレーヤーの心に何故か響きます。                  

例えば、「いいセッションをしたければ → ジャイアン的なプレイヤーを避けよう」とか、   「Charlie Parkerを知りたければ → Sonny Stittから聴くべし」(爆)、「演奏を酷評されたら → まず無視する」など、平易な言葉で説明しております。それはまるで、大学のジャズ研の先輩に飲み会でアドヴァイスされているようで、心温まります。著者の平易な言葉の選び方が凄く良いですね。spa 

当然、ジャズを演奏する際の実践的なアドヴァイスも書かれています。著者はアメリカのバークリー音楽院にも留学していたので、その時代に培ったテクニック を垣間見るようなアドヴァイスも書かれています。                 

さしずめ、この本はサックスプレーヤーの為の「自己啓発書」といった所でしょうか。新しい切り口だな…bud    

練習で困った時など、とてもお薦めの本だと思います。happy02

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書評(『平成経済20年史』 紺谷 典子)

平成経済20年史 (幻冬舎新書 こ 9-1) 平成経済20年史 (幻冬舎新書 こ 9-1)

著者:紺谷 典子
販売元:幻冬舎
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経済評論家 紺谷典子(こんや ふみこ)氏による本作を読み終えました。
新書ですが、400P強の大著でございました。sweat01

内容はというと、本のタイトル通り、日本の平成20年までの経済の総決算をするような
内容です。同じ時期に『平成宗教20年史』(島田裕巳著)や『平成政治20年史』(平野貞夫著)等も出ております。up

本作の中では現在当たり前の物と信じられていて、最早誰も疑う余地もないと言われそうな、経済問題について、著者が徹底的に疑義と唱えております。pout

特に、旧・大蔵省(財務省)が繰り出す経済政策や、小泉純一郎氏や竹中平蔵氏が政権を運営していた時期に関しては、より舌鋒が鋭くなっています。旧住専の処理、旧長銀の処理→新生銀行になってしまった顛末、りそな銀行の国有化問題等は強烈です。当然、彼らの看板法案でもある、郵政民営化関連法案に関しても徹底批判をしております。

最近巷で騒がれている法案は(後期高齢者医療制度、派遣法改正等…)全部小泉政権時代に成立されている法案なんですよね・・・gawk

ちなみに、最近特に話題になっている「定額給付金」の問題に関しては、旧小渕政権時代にも同じような政策を実施しましたが、この法案に関しては著者は一定の評価をしています。世間では対GDP比でも数パーセントの効果しかないから、愚策と言われておりますが。

というのも、弱者救済という観点でいうと、単なる減税などの政策では、税金を払う事が出来る程の所得を稼いでいる人にとっては効果があるが、それ程の所得が無い人達にとっては全くプラスの効果が無いのです。

平成になってからの経済問題を復習したい方、今の政府の政策に疑問を持っている方にはお薦めの本です。happy01

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